ぎょぎょ雑記

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映画『アイの歌声を聴かせて』を観た方が良いというおはなし。

ポンコツAI、約束の歌を届けます。

『アイの歌声を聴かせて』。公開からそれなりに長い期間ツイッターで話題になっていた記憶がありますね。ブルーレイ発売が近いということで、今回はこの作品について少々語りたいと思います。

あらすじはこちらをご覧ください。

https://ainouta.jp/introduction.html

 

「ハートフルエンターテイメント」、本作品を表す言葉として本当にピッタリだと思います。僕が初めて劇場で観た時はとある場面でボロ泣きしていたんですが、それでもこの作品の感想を喋るなら感動よりも前にまず楽しかったと言いたいですね。根本の所できちんとエンタメしているんです。触れていて楽しい。物語としてこれほど大事なことはないと思うんですよ。

 

本作品の特色とも言えるミュージカルパートについて。ディズニーのようなノリと表現すれば伝わりやすいでしょうか。このあたりの要素から観るのを遠慮した方もいるかもしれません。しかも1つ目のミュージカルパートは観る側が置いてけぼりにされるよう空気感を作った、といった旨の発言が過去にインタビューで出てきています。僕も演出に引き込まれてこそいましたが、内心では困惑していました。

ですがこのミュージカルパート。初見でも2つ目からは一気に引き込まれると思います。どれもシナリオの山場として上手く機能しているんですよね。「シオンの歌が周りに及ぼす影響」という面で凄く大事なんです。

 

本作品のもう一つの特色。それは「情報管理の巧さ」だと思います。

まずは開始数分。これだけで世界観がきちんと了解できるようになっています。「基本的には現実準拠、ただし技術は少し進んでいる」という情報があまりにも自然に頭へ落ちてくるんです。「割と近い将来には世界がこうなってるかも?」と思わせるぐらいの絶妙な塩梅もたまらない。作品への関心が否応なく引き立てられるこの技量はとてつもないなと感じました。

映像に詰まっている情報量がとてつもなく多いのですが、それによって見づらくなっているわけではないというのが個人的に大きな評価ポイントになっています。これは特に2回目の鑑賞に効いてきて。序盤の印象が大きく変わるんです。2回目の鑑賞では初見で置いてけぼりにされた1つ目のミュージカルパートで情緒が限界になっていました。

 

芸術的とも言えるほど緻密な造りをしている本作。劇場で公開された時に観た人も、そうでない人も、この夏にいかがですか?