ぎょぎょ雑記

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『悪戯』(夏ノ終熄 OP)について色々と話す

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歌:癒月

作詞:Duca

作編曲:鈴木ぷよ

Piano,Organ:Pasta

Guitar,other instruments:鈴木ぷよ

Recording Engineer:三原典子

Mixing Engineer:土井潤一

 

イントロからAメロに移る際の雰囲気の切り替えに痺れました。

思いっきりホラーらしい雰囲気を作って、Aメロの入りは「望郷」と表現できそうな方向の素直な綺麗さを押してくるという流れがお見事。楽曲のクレジットが表示されるタイミングもまた絶妙。意味深なタイトルも相まって完全に引き込まれてしまいました。

 

・イントロ

ホラーっぽいという印象がどういう要素から作られているのか言語化する自信があまりないんですよね......この楽曲に関してはピアノと主張強めのスティック音、そしてねっとりしたサウンドで鳴らす3連符あたりがそういう味を引き立てているんじゃないかなと思います。

 

・Aメロ

不穏な雰囲気が一気に隠れて、ピアノメインで素直な綺麗さを演出しています。開幕のサウンドセミの鳴き声のように聞こえてくるのも素敵。他にも草が揺れているようなサウンドも仕込まれているような気がしますね。

これらの自然を感じさせる要素はあまり目立っていないというのが作品の雰囲気と上手くマッチしているんじゃないかなと思います。もし前面に押し出していたら普通の田舎青春モノのようになってしまうような......?

 

・Bメロ

サビ前にほんの少しだけ挟まれる切り替えパートといったところ。ここで初めて重低音が出てくるのがとても良い。「夢ならば覚めぬよう 夢を見続けようか」という歌詞に現実逃避のようなネガティブなニュアンスが乗っている最大の理由をサウンドに見出すとすれば、間違いなくこの点になるはずです。

 

・サビ

控えめでありながらもサビとしての盛り上がりは確実に出ているという塩梅が最高。これこそまさに終末モノ。Bメロまでと比べて癒月さんの歌声に少しだけ圧が乗っているのが切実さを演出しているように思えます。

 

・後奏

ピアノで締め。メロディーは単音かと思いきや、最後の最後で上下に分かれるところだ大好きです。上昇音形の方は純粋に綺麗を、下降音形の方は半音の動きで怪しさを演出しているという対称性がクセになりそうで。『夏ノ終熄』の雰囲気をそのまま体現しているんじゃないかなと。

 

限定版を既に予約しているのでフルバージョンが今から楽しみです。他作品に話題を持っていかれた感がありますが、もっと注目されてほしい......