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『ガールズフランティッククラン』BGM感想会

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買いましょうね。

 

BGM作編曲:藤井稿太郎という文字だけで購入を即決定しました。

僕としては珍しく作品内容をあまり知らないまま購入したので、折角ならプレイ前にBGMを全て聴いてしまって感想を書くのも面白いんじゃないかなと。

ボーカル曲はコンセプトの都合上本編を踏まえた上で咀嚼したいと思うのでまたの機会に。今回はBGM全曲で感じたことをフランクにさらさらと書いていこうと思います。

 

 

『つかの間のひと時』

ほんの少しだけテンション高めの朝9時といった感じでしょうか。

メロディーだけに注目すれば落ち着いた印象となりますが、積極的に裏拍を突いてくるピアノとベースの動きから「予定がある休日」という印象を受けます。バトルから離れたら家で休むんじゃなくてお出かけだ!といったような。

先に述べたベースの動きというのは、上下上下……下上下上……と頻繁に動き方を変えていることを指しています。少し浮足立っているといいますか、何かを楽しみにしているような感情が読み取れました。

 

『買い物日和』

出先のお昼時という印象です。

「体:平常 心:少しわくわく」が『つかの間のひと時』であるとするなら、こちらは体も心に追いついてきているんじゃないかなと感じました。お出かけの日の家を出る前後なら後の方がテンションも上がりますよね。

ピアノが拍頭や8分連打になっているあたりがこういった印象を受ける理由になっているのかもと思います。

 

『成長の証』

タイトルと楽曲それぞれから受ける印象が全然違っていてびっくりでした。作中だとステータス確認みたいなメニューで流れるんでしょうか……?

どちらかといえば落ち着いている雰囲気。リズム感良く叩いているドラムとシェイカーの音がゆったりとしたテンポ感を損なわない絶妙な範囲でメリハリをつけているなと感じました。先の2曲と似たような観点となりますが、完全にゆったりと休むのではなく先を少し見据えているような印象を受けました。

 

『楽しいオプション』

タイトル通りオプション設定の際に流れる楽曲でしょうかね。

オプション設定画面というのはゲームから少し離れた……浮いた存在、外部である、というような捉え方を僕はしています。オプション設定画面の在り方そのものについてわざわざ考える人はそれほどいないだろうという点は置いておいて、そんな画面で流れる楽曲(推定)を浮遊感のある雰囲気に仕上げるのはなるほどなと思いました。「ゲームとオプション設定の関係」「聴き手と楽曲の関係」この2つが重なるような感覚になります。

ちなみに初めて聴いた時は「オプション楽曲ってやっぱりミニマルみたいな構造になるよね~!」とニヤニヤしていました(ピコピコ鳴り続けている音のことです)。

 

『いざ冒険のとき』

イントロで緊張感を出して、その後はさわやかな雰囲気でありながらメロディーはドラマティックな形をしてるだなんて完全に「旅立ち」で間違いないですよね本当にありがとうございます。

どんな人だっていざ冒険に出るとなれば緊張はするものじゃないですか。でもいざ始めてみると、大変ではあるけれどどこまでも楽しくて……という感覚が味わえました。間違いなくお気に入り楽曲のひとつですね。

 

『エンディングへの道』

最後の冒険に出る前に始まりの場所で休息を取っていて、いざ出発……といった場面が思い浮かびました。どこか誇り高さを感じ取れるような、華やか雰囲気がとても好みです。スネアドラムが規則正しく鳴っている点からパレードのような印象も受けますね。

僕はゲームをそこまで手広くプレイしていないのでなんとなくではありますが、メロディーはRPG1本通して使用されるテーマフレーズのようだなと思います。下ハモがずっと鳴っている点が凄く好み。

 

『戦いは突然に』

SLGパートの通常戦闘曲はこれだろうなと思いました。違っていたらどうしよう……

ADVの戦闘シーンとは違ってプレイヤー側がある程度頭を動かすことになるので、とにかく「バックグラウンドであること」に忠実な仕上がりとなっていると感じました。レベリングの際に一番聴くことになる楽曲がこれであるなら、自然体でゲームと向き合えそうなのが良いですね。楽曲のカロリーが重くて毎回のレベリングで疲れてしまうのは少々不親切なので丁度良い塩梅だと思います。

 

『強敵の足音』

こちらもSLGパートの戦闘曲でしょうか。ボス戦ですかね……?

『戦いは突然に』と同じく「バックグラウンドであること」を重視されている印象でサラサラと聴くことができるパートが多いですが、重たいパートや怪しげなパートを要所で挟むことで緊張感が演出されていてボス戦らしく聴こえてくるのだと思います。重たいパートがとってもずっしりと来るのでクセになりそうですね。

 

『武器を手に』

SLGとADVのどちらにも馴染みそうですが、どちらかといえばADVパートの戦闘曲っぽいなと思いました。

メロディに使われているストリングスがとても好みです。ほどよく重たく硬く、テンションが上がりますね。

バックで鳴っているギターは『戦いは突然に』と同じ動きをしていますが、こちらの方が存在感が若干強いように感じました。

 

『その先にあるもの』

メロディーに使われているこのギターの音が好きなんですよね。精神的にはこの音がもうマイホームなんですよ。安心感を覚えるくらいに馴染んでいます。

ギターの音色の特徴からか熱血的な雰囲気が強めな中で、半音で揺らすフレーズを挟んでいるところが最高にカッコいいです。少しニヒルというか、大人っぽい印象が出ていると思います。

 

『最強を目指して』

イントロ明けにテンポ感がカチッと切り替わるのがとても気持ち良い。シナリオ後半に入ったら通常戦闘曲がこれに変わると楽しそうだな……と思いましたが後半ががっつり聴かせに来るパートのように聴こえました。ADVパートの楽曲なのでしょうか?

後半パート、サントラ音源でいうと0:49からの展開は思いっきりツボでした。特にループ前のあたりがですね......これを聴くために藤井さんの楽曲を聴いてるんだ!と言いたくなりましてですね......

 

『大切なものを呼ぶ声』

全編通してメロディーが聴きごたえたっぷりですね。とてもドラマティック。

イントロでは駆け抜けて、その後テンポ感はそのままにメロディーだけ独立するように溜めを積極的に作っているところが印象的でした。物語のキャラクターと一緒に聴き手も体の奥底で熱を回すような体験ができるんじゃないかなと思います。RPGでいうなら、シナリオの山場で入るイベント戦専用曲にはこういう楽曲が欲しいですね。

 

『魔の頂』

全編で3+3+2っぽいテンポを取る楽曲にこんなにも早く再び出会えるなんて、と思ってしまいました。僕はそこまで手広く楽曲に触れていくタイプではないので……

このようなテンポ感の取り方だと躍動感が出てくるなと再認識しました。エネルギーのうねりのようなものを感じられるといいますか。大ボスの顔見せにとても合いそうですね。あまり主張は強くないですが、オルガンのような音がばっちりハマっていて気持ちよいなと感じました。

 

『獣は吠える』

とにかくとにかくハイスピード。よくよく聴いてみれば割とカロリー重めですが、素の状態で聴いているとサラサラと流せるというバランス感に強い中毒性があるなと思いました。個人的な感触としてはループ前が最大の山となっていて、そこに向けてひたすらに上がり続けているように感じられるのでとてもテンションが上がってしまいます。

 

『破滅』

タイトルとは裏腹に、かなり前向きなニュアンスが感じられる楽曲だなと思いました。気が遠くなるような雰囲気は一切出さず、主人公達は撤退するしかないと即座に判断して走りながら「必ずこの後にチャンスがあるはず」と確信めいた予感を持っている……みたいな。ある意味では安心感があると言えるかもしれません。聴きやすく、お気に入りの楽曲です。

 

『暴走する世界』

イントロで思う存分不安を煽って、メロディーが入った瞬間に予想外の方面から殴られてような感覚を味わいました。現実感の無さをこういう風に演出するのってありなんだなあと。(元々自分のものではないですが)楽曲が自分の手から離れたように感じられて、世界をひっくり返すような異変に巻き込まれるキャラクターはこんな感覚を味わうのかなあと思ったりしましたね。

浮遊感すら感じられるフレーズの後(サントラ音源で言うと0:41あたりから)は過酷な現実を突きつけられるようなパートだなと思いました。コーラスが派手に動いているところが好きです。

 

『大勝利!』

どストレートなファンファーレだなと思いました。SLGパートの戦闘終了時に流れるですかね……?

こういう場面での楽曲はシンプルに、短めのループになることが多いと考えていたので、イントロを含めて展開が3つ作られているのは驚きました。ループ前の流れが藤井さんらしさ全開で「ファンファーレでもこうするんだ」とクスッとしてしまいました。こんな理由で笑ってて大丈夫なのかという話ですが……ファンファーレではなるべく没個性にするという勝手なイメージを持っていたせいですねはい。

 

『嬉しい吐息』

サントラのトラック順で聴いていくと凄く沁みますね……ちょうどいい具合に気が緩みました。散歩する時にこの楽曲を聴くのがクセになりそうな予感がします。

他作品の楽曲の話で申し訳ないですが、イントロ以外でのピアノの役回りが『Juwelry Everyday』に近い雰囲気があるように感じました。ピアノの音色そのものが好きで、この楽曲のように主張弱めでも意識が寄っちゃうのは癖みたいなものですね。

 

『ハッピータイム』

ピアノの元気さとメロディーの落ち着き具合の二面性が印象的だなと思いました。

日常の中スキップしているような軽快さで、バトル物だからこそ日常の大切さが際立つ……というシナリオのバランス感(ガルフラではなく脳内ゲームの話です)を体現している楽曲ではないでしょうか。

 

『不満大爆発』

藤井さんのギャグシーン楽曲はやれやれ系が基本だと思っていたので、「パニック系がついに来た!」とテンションが上がってしまいました。

マリンバ(?)の音がとても可愛さを引き立てていて大好きです。時々入るトレモロもあたふたしているような雰囲気で良いですね。

 

『大好きな疑問』

国民的RPGのような空気が感じられる……いや僕はプレイしたことがない少数派男性ですが……特にハープみたいな音のパートがそういった雰囲気を強めている気がします。

小動物的キャラクターが様子を窺うような態度で頑張って主人公に話しかけている様子が思い浮かぶ可愛らしい楽曲ですね。

 

『よく分からない』

先にも述べましたが、僕の中で藤井さんのギャグシーンはやっぱりこういうやれやれ系なんですよね。とても安心感があります。

イントロからループまでずっと鳴っている低音のフレーズが特徴的じゃないかなと。輪郭がぼやけているような、そういうエフェクトが少しかかっているのでしょうか?そこでわからない感が出ていると感じました。

 

『変な人』

まさかのギャグシーン楽曲2曲目。『よく分からない』の項で触れた低音のフレーズを少しアレンジして使っているのでしょうか?連続で聴くとそう感じますが、それぞれ単品で聴いていたらどうだっただろう……

少し間抜けな雰囲気のパーカスがとてもツボです。民族楽器のようなポコポコした音は使い道が幅広いなあと最近になって思い始めていて、この楽曲を聴いて改めてそう思いました。

 

『にっこり平和』

ここまでの楽曲の中で一番のんびりとした雰囲気を持っていると思います。

ベースの動きが気になって注目してみると、激しいと言うほどではありませんがそれなりに動いていてるのかなと感じました。僕が合唱活動の中で強く印象に残っている指導の一つに「音楽を止めちゃいけないよ」というものがあるのですが、どこか一つはある程度積極的に動くパートがないと止まってしまうのかも?とこの楽曲を聴いて思いました。

 

『前を向こう』

元気な朝という印象が強いなと思いました。リアルにおける朝はともかく、創作物なら朝はこれぐらい爽やかにしてなんぼですよね。

ドラムの刻み方が最初から最後までほとんど変わらない点が特徴的だと感じました。テンポ感をある程度良いラインで固定すると日常らしさが出るんですかね……?そういった感じでマッチしているのではないでしょうか。

 

『困った困った』

ギャグシーン楽曲のバリエーションが多い……!?ここまでの数は珍しいと感じました。

間の抜けたようなメロディーのトランペットのような音がとても可愛いんですよね。というよりこの楽曲の色々な要素がそれぞれ可愛さの塊だと思うのです。可愛いという概念が好きなのでこういった楽曲は好物ですね。

 

『かわいい罠』

連続で可愛い楽曲が来てしまったぞ……!

TVアニメの劇伴のようだなと感じました。日常系の作品で、Aパートの導入が終わった直後に毎回お決まり的に流れているような。

副旋律のような立ち位置のパートがとてもお気に入りです。可愛さの表現として少し間の抜けた音色を使うのは有効なんだなあと思いました。

 

『ピンチの香り』

リズム感を掴ませないような低音パートが0:49からきっかりと8分刻みになるという流れが本当にお見事だと思いました。

得体の知れない恐怖とすぐそばに迫っている現実的な恐怖、両方のニュアンスをちょっとした変化だけで乗せているのが凄すぎます。

 

『本気』

まさに逆転の曲だなと思いました。

大きな区切りのない構成になっているのがポイントかなと。終始高めの熱量を真っ直ぐに投げてくるので、キャラクターが燃えているというだけでなく作曲者が1つの場面のためだけに入魂していると感じさせるような熱さがあると思います。

 

『戦闘準備!』

これだけテンポ感が良いのにタイトル通り戦闘前らしく感じられるのが不思議でした。ループ前に展開をもう一つ追加すれば戦闘曲らしくなりますかね……?

戦闘前の最後の語りにぴったり合いそうだなという印象です。語りのためだけの楽曲……かどうかはわかりませんが、ノベルゲーム、ADVらしいアプローチを作ることができるなあと思いました。

 

『一日が始まる』

楽曲のみだと昼間という印象を受けました。タイトルは朝を指しているわけではなくて、お出かけ等のイベントが始まった直後というニュアンスと思っておけばいいでしょうか……?

この楽曲だけでなく、昼間という印象を受ける楽曲全てが、どうしてだか商店街のような現実的な日常を描いているように思います。本編の設定に上手くマッチしているような予感がしますね。

 

『おつかれさま』

こちらも昼間の日常曲という印象を受けました。ただし昼間の中でもこの楽曲だけは明確に昼食後だろうなと感じています。少しだけぼやぼやとしたシンセがちょっとした眠気のようで昼食後だと感じさせているような……?

これもどうしてそう思うのか自分でわからない話題となりますが、なんとなくショッピングデートのような情景が浮かんできています。

 

『不思議な街並み』

西洋ファンタジーど真ん中だなと思いました。異国情緒のようなものが感じられてとっても好きですね。ゆったりと揺れるような3拍子系なのも個人的に好きポイントです。大好物要素てんこ盛り楽曲……

 

『探索スタート』

完全に秘境探検じゃないですか本当にありがとうございます大好きです。

鬱蒼とした雰囲気をメインとして、一部でアクセントとしてキラキラした音を入れているのがたまらないです。神秘的で、人の手がほとんど入っていないような遺跡を思い浮かべました。

 

『心の置き場所』

ピアノメインの綺麗系楽曲はいつも満足感高いです。ジュエハに引き続き今回も大好きですね……

前半は寂しさを覚えるぐらい綺麗で、後半で一気にメロディーがドラマティックになるのがズルすぎます。泣けと言われているようなものですよね。感情がとても揺さぶられます。

 

『あなたの胸に』

エッチシーンの楽曲(じゃないかもしれませんが)にここまでムーディな楽曲ありなんだ!?と驚きました。サックスのパワーですね。

良い意味で古臭い雰囲気なので、先に述べた点と併せて新鮮な気持ちになりました。

 

『ずっと一緒』

『あなたの胸に』と概ね同じ印象を受けました。あちらよりムーディな雰囲気は若干抑えめで、シンセによるほのかな温かさとフィンガースナップが特徴的ですね。特にフィンガースナップがあまりにもいやらしくて、何周も回ってカッコいい印象を受けました。