ぎょぎょ雑記

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冬茜トム作品OP 合唱アレンジ集

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過去に動画で上げている楽曲も色々と手直ししています。

それぞれ簡単にコメントを。

 

『色化粧』

イントロが一番のこだわりポイントです。『彩頃』はキャラクターがそれぞれの思惑で動いていく点が大きな特色の一つだと感じていて、それを落とし込んでみました。ソプとテナーは主旋律、アルトは副旋律、ベースはヴォカリーズという構成。アルトは後追いだけでなく、一瞬だけ主旋律を追い抜く場所も出てくるのが個人的に気に入っています。

入り組んだ状態で進行し、"彩の頃へ"で初めて全パート縦で揃います。タイトルコールのようなものになるので絶対に揃えたかったという意図と、『彩頃』全体のシナリオの流れを意識した結果こうなりました。ここでトゥルーに入ったんだな、と思っていただければ。

実はAメロ伴奏の大部分はペダルの処理を入れていません。普段は基本的に全ての箇所に入れていますが、ここでは入れない方がはっきりとメリハリがついて聴きやすくなっていると思います。

 

『コールドボイス』

コーラスの音の積み方を全体的に見直しています。楽譜を映していないのでわかりづらいかと思いますが、別物と言ってもいいぐらいに変わったような……?元々は讃美歌のような雰囲気を目指していて、しかし全く上手くいかず迷走しまくったのでいつも通り仕上げることにした記憶があります。途中まで作ったところで、かなり一般合唱曲っぽくなったように感じたのでそちらの方向へ一気に舵を切っていたり。なのであまり話すことがないんですよね()

今回NEUTRINOで出力するにあたっては当然音源に向き合うことになったのですが、伴奏が折れてしまいそうなくらい繊細で驚きました。今の僕では絶対書けないだろうなと思いましたね。

 

『桜爛ロマンシア

随分と長くこの楽曲に付き合っていて、見直すたびにどこかしら手直ししているような気がします。最終形として完成させたつもりなので今回が最後のアップデートになるんじゃないかなと思いますが……フルサイズで編曲する時なんかにしれっと手を入れるかもしれませんね。

イントロの伴奏は左手がだいぶ暴れていますが、割と初期の段階からこの形に近かったです。『さくレット』を読み終わった直後の熱量をそのままぶつけたピアノソロが原型で、もうこれぐらい刻まないとしっくりこないんですよね。実際の演奏に持ち込むことがない限りいじるのはあり得ないと思います。

Aメロは歌詞に合わせて寂しげな雰囲気を強めにしたつもりです。僕がヴォカリーズで"う"母音を使う時は大抵「少し暗くしたい」という意図がありますね。

サビの入り、"届け"は全パートユニゾン。こういう歌詞が出てくると真っ直ぐな想いを表現したくなるわけで。いつもユニゾンにしている気が......

 

『夢見ハナビラ』

今回の新規編曲。わかりづらいかと思いますが、開幕はソロの指示が入っています。編曲しようと思って原曲を聴いたら一瞬でこうしようと決まりました。めちゃくちゃ上手いソプラノに色気たっぷりで歌ってほしい……

珍しく、少々ネガティブな方向のニュアンスを歌詞に合わせる形で多く詰め込んでいます。上ハモの登場頻度が多めだったり、各パートで半音の動きがなるべく出てくるように調整したのはこれの一環ですね。

他の楽曲に比べると伴奏はかなりおとなしめ。書いた直後はあまりしっくりきていませんでしたが、色々と手直ししていくうちにちゃんとお気に入りになりました。新しいフィールドを開拓できたような気がしています。

最後のヴォカリーズは下降音形で〆となるので少々後味が悪くなっているかもしれません。置き去りにされているような雰囲気を出したくてこうしてみたのですが……いかがでしょうか?

 

『君とのミチシルベ』

以前動画で上げたものはかなり急いで制作していたので、色々とお粗末だったなあと思っていまして……物足りなかったAメロに副旋律を追加しました。追加したフレーズは「早く冒険に出たい」という気持ちを全面に押し出すつもりで前のめりな雰囲気を目指しています。

Bメロ"転んでも すぐ立ち上がれるくらい〜"のフレーズはかなり複雑な構造にしています。そこから段々と揃っていく流れにしているわけですが、これは「バラバラだったペガサス組が徐々にまとまっていく」イメージで仕上げました。まだ体験版第1弾すら公開されていない時に書いたフレーズだったので公式サイトの情報から妄想して作り上げたイメージなのですが、体験版フルバージョンの感触から考えると上手い具合にシナリオの流れに沿ってくれる予感がします。まあまだどうなるかわかりませんが。あまりにもシナリオの流れから外れていたらこのフレーズは完全に作り直していたと思います。そうならなくて良かった……

 

『Will of Adamant』

この6曲の中では一番のパワー系として仕上げました。正直なところ原曲についていくだけで精一杯だったかなと。音声は各パート3種類のライブラリを使っていて、この楽曲だけは女声の「東北きりたん」を「No・7」に変更しています。中々クセが強いのですが、どうしてもパワーが欲しかったのでやむを得ず……という感じです。合唱にはあまり向いていないと思うんですよね。

推したいのはサビ前のテナーの動きでしょうか。首を絞められているような苦しさを感じさせるフレーズにできたんじゃないかなと思っています。

 

 

過去に作った楽譜と向き合うのは中々つらかったですが、なんだかんだで楽しかったなと。成長を感じられたり、置いてきてしまったものに気づかされたり……たまにはこういう作業もいいですね。