きゃべつソフトカフェ大阪に行った時の「楽しかった思い出」を表現するべく編曲しました。流れていた店内BGMの中で唯一これだけ編曲していなかったのもなんだかおさまりが悪くて......帰ってから何かに憑かれたように熱中して作業していた記憶が。
ショートサイズとはいえ5時間ほどという超ハイペースで編曲を終わらせました。一体どれだけハイになっていたのやら......
編曲意図など
・イントロ
最初の2小節は音だけ見ると原曲よりもだいぶ簡素になっています。原曲のベルみたいな音は是非取り入れたかったんだけどピアノで鳴らすとどうにも微妙に聞こえてしまったのですよね。
4小節目の入りが目立つようになるから最初は控えめ、あとはクレをかければいい感じになるかなという発想でいい感じにまとまってくれました。
5〜12小節の左手は原曲のドラムと全然違うリズム感を作っています。
オシャレな感じを出したかったのと、ガンガン走るにはまだ早すぎるといったあたりの兼ね合いでちょっと変則的にしてみました。個人的にはとても気に入っています。
・Aメロ
伴奏については、「恋愛の在り方」を落とし込むことを意識しています。
キラキラな少女漫画的イメージ / ヒロインドッキドキのラブコメ的イメージではっきり雰囲気を分けてみました。右手が16分音符で細かく刻んでいるのが前者で、それ以外が後者となっています。
コーラスについては、15小節〜18小節の頭までは特に特別な意図はなく。歌い手側がとにかく楽しく始められるように、とだけ意識しました。
ソプとテナーが"uh"と言ってから前後で立体的な構造になっていますが、これは歌詞の内容を受けてヒロインがいじらしくしている様子をイメージしています。
ヴォカリーズに"う"母音を持ってきたのは少しモヤっとする印象を持たせるため。
"鈍感?いじわる?"の部分はヒロインが「なんなのあの朴念仁は〜!」と悶えるような様子を頭に浮かべて書きました。
"モヤモヤ"(21小節後半)の音形が地味なこだわりポイント。アルトが「下上下上」といった音形になってるのに対してテナーが「上下上下」となっています。こうすればモヤモヤ感がより出るんじゃないかなと。
・Bメロ
全体としてメリハリが欲しかったので強弱は一旦ピアノ系に落としています。歌詞の内容を受けて「ドタバタな日々の中のほんの1コマ」というイメージで仕上げました。
23、24小節はスローモーションっぽい雰囲気を狙っています。"振り向いたなら"でソプがかなり急いで主旋のリズムに合流しているのは千絵莉のイメージです。あの子が柚希とちょっと肩をかすらせたら、バッ!と柚希に振り向きそうじゃないですか?
27小節からはドキドキを表現するためにピアノ(特に左手)がガンガン刻み始めます。
29小節、"悔しいくらい"は強い感情だと解釈してユニゾンにしました。今思えば、ここも千絵莉のツンデレっぽい性格に引っ張られていたかもしれません。
・サビ
原曲に寄せた構成にしたかったので"走り出す""握りしめた"の部分はソプが上ハモ、アルトに主旋を渡してる形にしました。KyoKaさんの上ハモがとても可愛いのでたまに意識して聴いてみてほしいですね()
"このトキメキ抱きしめて" は「賑やかさを出したかった」「ここまでユニゾンを何回か使っている」という理由から普通の合唱っぽい構造にしてみました。ここが一番のお気に入りかもしれません。
"世界に一つだけ"はユニゾン以外ありえないと即決でした。
伴奏は普段よりもかなりテンション高めで、フルサイズで編曲した時のラスサビぐらいのつもりです。
・後奏
八ッ橋しなもんさんが「リアルしっぽカフェだー!」と色紙に書かれていたことからインスピレーションを受けた部分です。
最後にもう一山楽しいパートを作りたかったのと、あまショコへの入り口を用意したかったという理由から『しっぽカフェへようこそ!』を取り入れてみました。2曲とも調は同じなのですがコードは役割からしてかなり違うのでそれなりに苦労した記憶が。
かなりお気に入りの合唱アレンジに仕上がりました。ここまで色々書けるぐらいの編曲はおそらくレアケースかなと。
僕が一皮剥けたのか、きゃべつカフェが楽しすぎてアッパーかかってたのか……前者であれば良いと思うのですが。