評価:75/100
思い入れ:95/100
※本編のネタバレを含みます
全編読了してから1か月近く空いてしまった……
意図的に消化していなかったであろうアキトのドラマを、これ以上ないくらいの王道な展開で見事に捌ききっていたのが好印象でした。
前作のアキトとミヤビが結ばれる過程自体にはあまりしっくりきていなかったものの、結ばれた後を描いた今作は2人の距離の詰め方、協力して壁を乗り越える過程、それらに伴うソフィーの変化/成長に大満足。
また、ミヤビアフターと各ミニアフターのどちらとも、前作と同様に魅力的なドラマをこれでもかと圧縮して短めな尺の中で綺麗にまとまっていました。プレイ体験はとても上質なものだったなと感じられましたし、FDとして素晴らしいクオリティだったと断言できます。
魔法のパフォーマンスから離れたアキトの気持ちは、個人的にはとてもよくわかるんです。舞台に上がる人はそうでない人よりも特別偉いだなんてことは決してなく。前作の各√で描かれたヒロインとアキトの関係はどれも美しいものだったと思います。
そう考えている上で、パフォーマーとして舞台に上がって大切な人を支える決心をしたアキトの姿には感慨深さを覚えずにはいられませんでした。
ポカポカのメンバーは互いに大切なものを与えあっていて、アキトだって与えるだけでなく、大切なものを受け取ることができると。ミヤビと結ばれる展開でもここがきちんと押さえられていることが何よりも嬉しかったです。
そしてソフィー。ミヤビアフターでも僕の感情をここまで揺さぶってくるとは全く予想できていませんでした。
2年前、前作を読んで「ソフィーと同じ体験をしたい」と強く願い、彼女の在り方に憧れ、勇気づけられました。
別の記事やTLで話していることですが、ここ1年近く、僕は縁に恵まれ舞台でのパフォーマンスについて自分なりにしっかりと考えるようになったんです。
これまでにないくらい練習に力を入れて取り組み、いよいよ最初の本番が近づいてきたという時期に本作が発売され、すぐに読み始めて。最初に読んだソフィアミニアフターでは強い衝撃を受けました。
gyogyomarumaru-gmmsc.hatenablog.com
そしてミヤビアフターでは新たな強さを見せつけられることに。
偶然のタイミングではありますが、僕が大きく成長できていると手ごたえを感じていたところにあんな展開をぶつけられるのはたまったもんじゃありませんでした。
誇張抜きに、ソフィーは僕の人生に最も影響を与えるキャラクターになるかもしれませんね。